赤井 三尋 翳りゆく夏

20年前の新生児誘拐犯の娘が、大手新聞社の記者に内定した。この件をスクープした週刊誌の記事がきっかけとなり、この事件の再調査が始まった。とても読み応えのある、社会派ミステリー。


一橋大学の優秀な学生、朝倉比呂子は東西新聞社の記者職に内定したが、その実父は彼女が2才の時に病院から新生児を誘拐し、病院長から受け取った身代金を持って逃走中、事故を起こして死亡した。スクープ記事により、彼女は内定を辞退しようと考えるが、東西新聞社の社長杉野や人事局長の武藤は、個人情報の流出の責任と、何より比呂子本人の優秀さを惜しく思い、翻意させるべく説得にあたる。それとともに、東西新聞社の社主よりこの事件の再調査が命じられ、過去のミスから閑職に追いやられていた元記者の梶が調査にあたる。


朝倉比呂子は、入社試験で「矍鑠」という漢字を書けた2名の内の一人だった。また留学経験は無いが、英語と中国語をネイティヴ同様に話せる。それというのも、彼女は一度見たものは絶対に忘れないという、「映像記憶」の能力があったのだ。

また、社長の杉野も同じ能力の持ち主であり、彼女の才能を高く評価し、みずから入社するように説得するくだりもある。

はーー、この能力、自分にもあったらなあ(笑)


さて、20年前の事件に別の真相があったのか。結局発見されなかった新生児は生きているのか、死んでいるのか。この大きな謎と、当時の捜査にあたった刑事や、記者として取材にあたっていた若き日の武藤や梶が絡み、終盤まで読む者をぐいぐい引っ張って離さない面白さである。


解説の郷原宏氏が書かれている、推理小説は謎解きの面白さの他に、もう一つ味の決めては「リアリティ」である、という一文に自分も大賛成である。いくらトリックや謎が大仕掛けで面白くとも、人はこんなことをするかなあ、とかこんなことが起こるものかとか、読みながら思ってしまうとやはり詰まらない。仮に現実にはおよそ起こりえないようなコトでも、その物語世界の中では圧倒的にリアリティがあれば、それはOKだ。そういう点でも、この「翳りゆく夏」は、どのシーンでもリアリティがあり、楽しめたのである。


ただ、一つささいな指摘をジョーク気分でさせて頂ければ、登場人物たちがレストランで会食をしているシーン。中の一人の膝からナプキンが滑り落ちたが、気づかない。ウエイターは静かに近づいて拾い上げ、そっとお客に渡した、とあるが通常床に落ちたナプキンはそのまま渡したりしない。新しいナプキンを渡すはずだ。少なくとも、自分ならそうする。はい、瑣末なことですね(^_^; 本質にはなんの関係もないが、自分にとり唯一、リアリティがないシーンだったのでね(笑)


お土産:弘前銘菓、りんごのゼリー「雪小紋」。

A代さん、どうもありがとう(^-^) ランチ後のオヤツに美味しく頂いてます!優しい甘酸っぱさがお茶うけにぴったりですね。パッケージもとても可愛い。空き箱は小物入れにいいかな。
お土産


夜食:A’te アッテ

久しぶりに仕事帰りの外食。前菜の「豚ホホ・耳・足ゼリー寄せのソテー」がとっても美味しかった。もともと肉のパテとか大好きな肉食人間なんだけど、フランスの代表的お惣菜の「フロマージュ・ド・テット・ド・ポール」は普通常温で食べるコトが多い。それをこんがり焼き上げた熱々で頂くのも、なかなか美味い。ラビゴット・ソースも酸味がきいてバッチリ。豚好きのTちゃんにも教えてあげたいな!カメラを忘れたので写真をお見せできないのが、残念~。他にも、仔牛とタケノコのタリアテッレも歯ごたえのある麺とシャキシャキタケノコが美味しかった。赤ワインが進んで進んで~(笑)

で、ダンナと楽しくお喋りしていたのに、その内仕事の話になり、議論が白熱する内にケンカ状態に(^_^; お店にも他のお客様にも大変申し訳ありませんでしたー。ごめんなさいね、、、m(_ _)m


A’te

札幌市中央区南1条西22丁目2-15シーズンビル2F

TEL011-613-0066

定休日:水曜