ザリガニの鳴くところ (ハヤカワ文庫NV) [ ディーリア・オーエンズ ]

 

ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。(出版社内容紹介より引用)

 

 ザリガニの鳴くところ

先日の旅行の機内でこの映画を鑑賞しました。

(言語設定を間違えてイタリア語で話す登場人物たち。ちょっと変な感じでしたがおーっ!

 

 

美しい湿地の映像と、野生的で美しい少女カイアの苦難と瑞々しい心の動きに、すっかり魅せられました。孤独に耐えながら、湿地の鳥や貝などの生き物に強い関心を持って暮らしています。他の人間が現れると、野良の仔猫のように隠れてしまう。親も兄弟も、皆出て行ってしまったのに、帰らない母親を待って一人生き抜くカイヤ。

 

 

圧倒的な自然の中で生きるカイヤに、殺人事件の容疑者という案件が降りかかって、裁判が始まります。カイヤは無罪を勝ち取れるのか、、、

 

全く内容を知らないまま、観たのですがとても面白かったので、原作も読みたくなりまして!

行きつけの書店で表紙だけは見ていたのですが、「2021年翻訳小説部門の本屋大賞受賞作」のコーナーで展示されていたのが記憶にありました。

 

映画では、若干疑問に思ったことがあったので、原作ではもっと詳細に描かれているのではないかと思いました。

 

まず、重要な存在であるテイト。

幼い時からカイヤを気にかけ、鳥の羽のプレゼントを置いたり、親しくなってからは、彼女に文字を教え、興味の対象である貝や鳥の図鑑を与えてカイヤの知識欲を満たして来たテイトは、カイヤの恋人になりました。しかし、大学に進学して町を離れた後は、約束した日に戻って来ませんでした。何日も海岸でテイトを待ちわびて、ついにあきらめたカイヤは周りの人が全て去ってしまった深い孤独を味わうのです。

どうして帰って来なかったのか、映画でもテイトが心情を独白するシーンがありましたが、原作ではもう少しその辺りの様子を掘り下げて書かれていました。

やはりカイヤはいつまでも湿地でしか生きられない、野生動物のようなので、そこから連れ出すのは無理だと思ったのですね、、、。

 

それでも、その後テイトの尽力もあり、ついにカイヤの才能が世間に見いだされ、広い世界にも理解者が現れ、収入にもつながって、一人での暮らしも成り立ちます。

けれども、、

 

殺人事件(事件か事故かも裁判で争われていますけど)の被害者チェイスは結婚が決まっているのにカイヤと関係を続けようとし、拒否する彼女を暴力で従えようとしました。女遊びの好きな軽薄でお金持ちのぼんぼんです。映画ではいかにもな感じに描かれていましたが、原作を読むと、彼にももう少し別の面もありました。カイヤに近づき、最初にフィジカルな接触を拒否されると、引き下がりゆっくりと彼女の心が開かれるのを待っていました。二人で湿地をボートで進みながら、チェイスはハーモニカを奏でます。水面と緑の植物に水鳥たち。まことに美しいシーンで、チェイスにはこんな面もあったのかと、少し驚き、孤独の底の底で生きているカイヤが警戒しながらも、彼にすがってしまう気持ちもむべなるかな、です。

 

最初に美しい映像で観たので、原作の文章を読みながら、色々なシーンが脳裏に浮かび、なかなか素敵な読書になりました。

とても複雑で、様々な要素を持った小説でその世界にとても惹かれましたよ。

 

そして、最後のシーンにまた、あっ!と声が、、、

​​​​​​オススメ音譜

 

 

長崎のお友だちから美味しいプレゼントが届きました!

 

 

長崎市のフレンチレストラン、スカイベルさんからです~音譜

 

 

以前、長崎を訪問した際に老舗の吉宗で茶碗蒸しと蒸し寿司を頂きました。

 

 

このお店は市民の皆さんから「よっそうさん」と呼ばれているようです。親しまれているのですね。私どもも美味しく頂き、茶碗蒸しの大好きな母にも食べさせたいものだと、スカイベルのマダムに言った事がありました。それを覚えていらして、今回送って下さったのですね。

 

たっぷりの詰め合わせ!なんて嬉しいデレデレ音譜

早速、ホームから母を連れだして、ご馳走しましたよ!

 

三色の蒸し寿司と具沢山の茶碗蒸し。

母が「美味しいねえ、こんなご馳走が待っていたとは~ラブラブ」と大喜びでした。

スカイベルさん、本当にありがとうございましたニヤニヤ